山の家に着いて、最初にしたことは、ただ空を見上げることだった。
飛行機雲が横切る空
木々の隙間から見える空はどこまでも青く、一本の飛行機雲がゆっくりと薄れていく。
遠く離れた場所へ向かうその線を目で追いながら、自分はこの場所にとどまっていることを、なぜか少し誇らしく感じた。

光を透かす葉、影を落とす葉
見上げるたびに、木々の表情は少しずつ違う。
ある枝は光を透かして輝き、ある枝は深い影を落とす。同じ木なのに、光の当たり方ひとつでこんなにも違って見えるのかと、しばらくその場に立ち尽くしていた。

苔むした石と、朽ちた木の匂い
視線を下ろすと、苔に覆われた大きな石が静かに佇んでいた。
まわりの木々はところどころ朽ちていて、時間が積み重なった匂いがする。人の手が入りすぎていない、この場所らしい風景だと思う。

木漏れ日の下で、もう一度空を見上げる
一巡りしてから、また空を見上げた。
さっきの飛行機雲はもうほとんど消えていて、青空だけが広がっていた。時間の流れの速さと遅さが、同じ場所の中に同居している。そんな不思議な感覚を覚えた一日だった。

撮影:SONY α6400
現像:Adobe Lightroomにて、見た瞬間の光の印象に近づくよう調整
Instagramでも同じ写真を投稿していますので、よければご覧ください
