香りと灯りの静けさ

山で過ごす日々の記録

日が傾き始める頃、山の家の時間はいつも少しだけ速度を落とす。

立ちのぼる、一筋の煙

縁側に置いたお香に火をつける。

静かな空気の中、煙がゆっくりと形を変えながら立ちのぼっていく様子を、ただ眺めているだけで気持ちがほどけていくのがわかった。

闇に浮かぶ、小さな灯り

日が落ちて、あたりが暗くなる頃。

さっきと同じお香が、今度は闇の中でぼんやりと赤く灯っている。同じ一本なのに、光の量が変わるだけで、まったく違う表情を見せてくれる。

足元に咲く、小さな紫

歩き出すと、思いがけない場所に萩の花を見つけた。

派手さはないけれど、緑の中にぽつりと浮かぶ紫は、見つけた者だけが得をするような、そんな小さな喜びをくれる。

まだ開いていない、これからの色

すぐそばには、まだ蕾のままの実がいくつも並んでいた。

黄色く色づき始めてはいるけれど、開くのはもう少し先のようだ。今はまだ何も語らないその姿を、次に来る時まで覚えておきたいと思った。

撮影:SONY α6400

現像:Adobe Lightroomにて、見た瞬間の光の印象に近づくよう調整

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